みなさんお元気ですか?
今日は久しぶりにうんこの話をします。
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突然ですが、皆さんには思い出の絵本はありますか?
ぼくも子供の頃は絵本をたくさん読んでいました。絵本というのは不思議なもので、懐かしい絵本を開くと一瞬にして時間が20年巻き戻るような、保育園に母親が迎えに来た時のあの瞬間のような…なんともいえない不思議な感覚に支配されるものです。
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話を戻します。今日紹介したい思い出の絵本は『がまんだがまんだうんちっち』という絵本です。
ぼくはこの絵本が大好きでした。
「うんこを我慢する」という行為はヒトとして生きる以上避けては通れないもの。まして幼稚園~小学生までは尚更。人生の登竜門のようなものです。
子供が共感できる題材と妙にリアリティあふれる描写。ハラハラドキドキの展開。まさに不朽の名作であると僕は思っています。
話は主人公のみお君という男の子がウンコを漏らしそうな中下校しているところから始まります。最初から絶体絶命です。
なぜ学校でウンコをせずに下校してきてしまったのか?それは上級生がトイレを掃除していたからです。怖いですね。今思えば、小学校低学年の頃の上級生は神のような高みにいる上位者に見えていた気がします。
漏らしそうなみお君は友達の家でトイレを借りることを思いつきます。しかし残酷にも友達の家は留守でした。
その先の商店街で、お母さんと一緒に行ったケーキ屋さんのトイレを借りようとしますが、店員さんに驚いてしまいだめ。
次はお寿司屋さんを営む叔父さんの家を訪ねますが、なんと店は休み。
その先の公園の公衆トイレは、あまりに汚く臭すぎたので気持ち悪くなってしまい断念します。
そしてみお君は最後に思い当たる場所、スーパーマーケットのトイレに駆け込みます。しかし個室は満員。この時のみお君の絶望を考えるだけで涙が出てきます。
もうみお君には考えられる場所は残っていませんでした。ここでついに限界が来てしまいます。体は汗でびっしょりで、目は霞み足はガクガク震えてきました。そしてついにみお君は、駐車場の横の原っぱで野グソをキメてしまいます。
みお君は帰ってお母さんに謝ります。しかしお母さんは怒らず、みお君が考えられる事を全部やってみて、便意と戦ったことを褒めてくれます。
最後は家族で仲良くウンコを拾いに行って終わりです。
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当時を振り返ると、この絵本の肝は、「自分だったらどうするだろう」と考えさせられるところにあると思います。
ウンコを我慢するという身近なピンチが題材であることと切羽詰まった展開。どうしても主人公に感情移入させられてしまうのです。
「自分だったらどうするだろう」大人になってから、自分の人生にいっぱいいっぱいになってしまい、相手の気持ちになって考えることを忘れかけているような気がします。それほどの強い心と余裕を持ちたいものです。