すっかり寒くなり北海道では雪が積もったところです。みなさんお元気ですか?
寒くなると悪化しやすいのが痔です。
痔は「日本人の1/3は悩んだことがある」ほど身近な病気のひとつと言われています。
かく言う僕も、軽いものですが悩んだことがあります。
さて、そんな痔ですが、以前「いぼ痔(痔核)は人間特有の疾病である」という事実を耳にして非常に驚いたことがあります。
いぼ痔といえば、痔の6〜7割を占める痔の王様です。痔といえばいぼ痔といって差し支えないでしょう。
この地球上で確認されている動物は昆虫含め137万種にのぼり(2016年時点)、さらにこれはほんの氷山の一角だとされています。
その中で痔になるのはわたしたちホモ・サピエンス一種だけだというのです。さすがに生物として欠陥すぎではないでしょうか。
しかし、なぜ人間だけがいぼ痔になるのか?
諸説ありますが、それはこの地球上―数百万種にものぼる生物の中で我々人間ただ一種だけが獲得した特性に関係があると言われています。
そう、直立二足歩行です。
そもそもなぜいぼ痔になるかというと、肛門付近の静脈叢(細かい静脈が網目のようになっている部分)がうっ血し、いぼになってしまうためです。
昔理科の時間に聞いたことがあるかと思いますが、静脈にはふつう静脈弁というのがあり、重力の影響下にありながら血液の逆流を防いでいます。しかし、直腸の静脈叢には静脈弁がなく、慢性的にうっ血しやすい運命にあるのです。
静脈弁がないのは四足歩行の名残とされています。四足歩行では肛門は心臓より高い位置にあり、静脈弁を必要としないからです。ヒトは、肛門の進化を置き去りにしたまま二足歩行をはじめた結果、大きな爆弾を抱えてしまったのです。
また、うんこを我慢するのは基本的に人間だけなので、うんこを我慢するうちに痔に苦しむようになったという説もあるようです。
いずれにせよ、痔は人間が人間であるから生まれてしまった疾病だといえます。
何百万年かかるかわかりませんが、いずれ進化の過程で人間が痔を克服する日がくるのでしょうか。そうなると、古代人は皆アナルの痛みに苦しんでいたことが教科書に乗りそうで怖いです。